指揮官インタビュー第二回:Zaikoning Returns(Gaia)

イラスト:めいあん

「【強行突破】怯むな、突っ込むぞ!」「□についてこい!」

初心者向け指揮官インタビュー第二回目はGaiaDC(Durandal)黒渦団に所属するZaikoning Returns氏となる。

Zaikoning氏は火力の高い8人PTを率いて障壁を突破していく、『固定PTの指揮官』だ。GaiaであればFF13の主人公、ライトニングさんのロールプレイのような、特徴的な挨拶・号令を覚えている人は少なくないだろう。

Zaikoning氏の指揮は、初心者から始めてすぐに到達するレベルではないのだが、今回は「指揮する人も同じ光の戦士」という気持ちで話を伺った。結果、前回とはまた趣の異なるものとなった。「そういう世界」をちょっと垣間見るつもりで気楽に読んでいただけると幸いだ。だがもし、彼のような指揮を目指すならば、腰を据えてゆっくりと読んでほしい。
なお今回は時折第三者のコメントが入っている。(『』にて表記)

↑Zaikoning氏のマップ抜粋動画。敵の気持ちになってしまい血の気が引く。その他動画はこちら

以下略語、制圧=外縁遺跡群(制圧戦)、シルロ=シールロック(争奪戦)、FOG・氷=フィールド・オブ・グローリー(砕氷戦)、OP=アウトポスト、スタート地点。

───では初心者さん向けということで、よろしくお願いします。

「よろしく」

『なんだか普通にいらっしゃるのが新鮮…w』

「そう?いつもこういう感じ?」

『そうそう…w』

 


 

───では、今回はお受けいただいてありがとうございます。指揮を始められたのはいつごろからでしょうか。

「ええと…前世(別キャラクター)からだけど、殲滅戦あたりからだと思います」

───制圧のころはやってらっしゃらなかったと。

「制圧のころは指揮というより、報告的なものが多かったですね。敵2PT来た時に、早めに報告したりとか…こっち援軍いらないよとか言ったりとか、そろそろ中央装置とか…そういったアナウンス系が多かったですね。そもそも制圧戦自身が指揮がそんなにいらないコンテンツだったというか」

───14PVPコンテンツ自体は制圧からされていたと。

「実装初日からやってます!」

───ウルヴズはどうでしたか?

「30シンクとかはやってましたね。でもやっていたのはいいけれど、当時の44は面白くなかったんです。
あと14のPvEって、11や旧14の名残りか、移動するときにジャンプしながらスキル使うと慣性で移動し続けるんですよ。なので通常時に移動目的でジャンプしてスキル使うようなことがあったのだけど、当時のジェイルには致命的なバグ…か、仕様があって、ジャンプすると通常スキルとかウェポンスキルとかが当たらなかったんです。
ちょっとでも、敵と味方の高低差があると、スキルが通らないんですよ」

───今でもある程度差があると当たらないですが、さらに…

「あれのしきい値がこの…椅子と…テーブルの高さくらいで。その分違うと、もうウェポンスキルは当たらない」

───ええ!

「だからこっちはジャンプを移動のために使ってるのに、攻撃をよけるためとみられて…そんなんで理不尽と言われても!と思ったのでやめました。多分いまいさんの過去を振り返る日記に書いてあると思う」

───ありましたね。そういうことだったのか…(参考:Imai Reborn氏のロードストーン)

───そこから、大規模PvPに。指揮というものが出始めたのはどのくらいからか覚えていらっしゃいますか?

「多分指揮が出たのは実装とほぼ同時だと思う。敵が組織的な動きしてきたから、こっちも組織的に動こうみたいな。多分本格的に指揮を始めたのは不滅かな。それとほぼ同時期に、蛇。」

───今は黒渦にいらっしゃいますが、所属は同じですか?

「あの時は不滅です。今黒渦にいる理由は、ジャンピングポーションを使うと黒渦になっちゃった」

───なるほど、そういう理由が…w

「もともと不滅だった理由は、前世で…旧14でマーケットが一番使いやすかったから、それでランク上げてしまったから、移籍するのがめんどくさかったという」

───新生のころは本当に移籍めんどくさかったですね…

「PvPランクが0になると使えるスキルも減るしね…」

 


 

───ではここから指揮の話を。まず、シールロック、制圧、氷の中で一番お好きなシステムはどれですか?

「氷。」

───氷!氷がお好きな理由は?

「氷は運要素が大分少ない。特に終盤とか、リスの数が減ってくるので、相手の行動が予測ができるんですよね。残りの氷の配置がこうだから、敵軍はおそらくこう動くだろう。だから我々はこう動こう、っていう…要は将棋とかチェスみたいな、盤の配置をみる立ち回りになる。
対してシールロックは、最後の局面になってもどこに湧くかわからないから…一位に寄せておこうとかはあるけれど、敵の動きの予測ができないんですよね。しいて言うなら中央高台に湧かれると辛い。とかはあるけれど、だからといって洞窟拠点以外の陣営が中央高台に陣取っておくというのはなかなかリスキーな訳で…リスクとリターンが似合わない所が苦手ですね。」

───なるほど…では初めて指揮をやってみようと思う方には、やはり氷がおすすめということになるのでしょうか。

「うーん。初心者…初心者は逆にシールロックの方がいいと思う」

───そうなんですか!

「さっき前述したとおり、運である程度うやむやにできる。
固定で火力があるとか、自分たちで相手を振り回せる、流れを作れるポジションだと、氷の方がいいんです。絶対相手がくるタイミングで氷部屋を封鎖とか、そういったことができる。
それに対して、初心者指揮官さんはそんなに敵をコントロールするほどの戦力を持ってないでしょう」

───そうですね。ソロだったりとかもする。

「となると、野良の指揮なら敵に読まれない動きがある程度できるシールロックの方がチャンスはあるかな」

───いざ指揮をするとして、最低限これは準備しておくといいということはありますか?

「自分の場合、全ロールをそれなりに触れるようにしておく、かな。せめて2ロール。」

───それなりに、というと…

「DPSだったら与ダメランキングの上位とか…基本的にどのロールでも死なない前提かつ、それなりに仕事ができる状態ですね。
まず基本的なジョブの立ち回りが出来ているというのは大前提だと思う。自分が与ダメを出せないのに指揮に手を出しても、下手の横好きというか…器用貧乏になるというか。なので、他のことがやれるようになるというのはいいことだけれども、まず自分ができることをある程度の水準までには持ち上げておくというのは必要になると思う。」

 


 

───ではここからは一つ一つ伺っていきます。制圧の指揮をするときに、在庫ニングさんがされるときに、一番気を付けられていることはなんですか?

「制圧か…制圧は基本指揮はしないです。」

───全くですか?

「残り10分未満とかにはする時もあります。要は絶対に挟撃だけはされたくない。そこらへんだけ意識しているかな」

───では初心者さんに向けて、これが大切なんじゃないかなと思うことはありますか?

「指揮というか…初心者で絶対に貢献できる内容は、タイマー役ですね。
タイマー役ができるようになると、まずチャットログを見るようになる癖がつくので…チャットログと、残り時間を見るという超基本的なことが、当たり前にできるようになる。そうすると他に指揮官がいても、すぐに指示が見れるようになりますし。他に指揮官がいたとしても、タイマー役というのがいると助かることが多い。」

───指揮の邪魔になったりはしないんでしょうか?

「指揮官をやっていると、方角マクロとかを出す関係でカウントダウンのマクロ使えないんですよ」

───確かに。

「ほかのマクロを鳴らした時点で、タイマーカウントのマクロってなくなってしまうんです。
だから、カウントに特化した役割で補佐してくれると喜ぶ指揮官はいるだろうし、残り時間とかドローンのログとかを見て正確に教えられると、結果的にBPTの行動も安定するし、勝ちやすくなると思います。」

───なるほど…ありがとうございます。

※初回のドローンPOPは確定で19分だが、その後は「前回最後のドローンが壊れてから4分後」に湧くようになる。その為ドローン破壊のログを逃さない必要がある。
自分で管理するから不要。という指揮官もいるので、臨機応変に。

───ご自身が指揮される時、ソロの方に対して制圧に望むことはありますか?

「空き巣に行くなら、死なない。」

───何人かで行くということですか?

「理想は、自分がヒーラーに着替えていくことだけど…現実的には三人一組とかでいけるといいなとは思います。空き巣自体はすごく推奨する。けれど、ただ行って無駄死にするのは意味がない」

───本体が行っていない方向へ行くという。

「取ってこそ意味があるので…一人で行って延々と取れないとかだったら、それだけリソースが無駄になりますからね」

 


 

───ではシールロックで、在庫さんが指揮をされるときに、一番気を付けていることはなんですか?

「突撃しろw」

───w

「当たるときは強く当たれ」

───ああ、なるほど?

「中途半端に逃げない、中途半端に押さない。
あと、ライン戦の基本はタンクより前に出ないけれど、タンクよりすぐ後ろにいてほしい…とかは、そこらへんはどの戦場でも一緒なので、ちょっと割愛しますけれど…押すときは押す、引くときはさっさと引くというのは、シルロで一番求められると思う」

───スピード勝負ということですね

「そうですね。氷より超スピーディー。
氷とかだと背後をつくために大回りしないといけないけれど、シルロは特に中央付近とか横道があちこちにあって移動経路がむちゃくちゃにあるので、ちょこっと回り込むだけで、結構痛手をこうむったりします。レーダーに映っていないところから、後ろちょっと突かれたりするとかなり痛いので…迅速な移動が一番求められます」

───初心者指揮官さんに向けてシールロックの指揮をするときに大切と思うことはありますか?

「基本的に、固まった方が勝ちやすい。守るときは高台を積極的に使ったりだとか…守るときはとにかく固まるように指揮をする。」

───全軍で移動するように。

「全軍ですね。ただ、2,3人は守っておいてほしいと思うときはあったりしますが…初心者指揮官…シルロが一番難しいと思うなあ、指揮は。指揮自身が一番難しいと思う。」

───ランダムな要素が大きいですからねえ

「超臨機応変を求められる。難しい…難しいゆえに、熟練の指揮官も判断を間違いやすいので、初心者にも勝つチャンスがある」

───だからシールロックからがおすすめと。

「そうですね。ただ、氷のほうが経験ごとに勝ちパターンというのが見えてくるので、指揮としての自信の付きやすさは、氷の方が高いと思う。
勝利・敗北理由の原因と結果が分かりやすいんですよ。ただ分かりやすいがゆえに、結構負けた時のへこみ具合がでかいですね…」

───あそこでああやっちゃったから…という

「まあ原因をちゃんと受け止めて、次の改善案を積極的に出していけるひとだったら、氷の方が絶対にいい。
単純に経験を積むだけ、とりあえず当たってみようというんだったら、シルロのほうが「運が悪かったね~」って負けた理由とかをうやむやにしやすいので、メンタル的には楽。
強くなるなら氷です。」

───修行の場みたいなものですね

「そう。原因を受け止める方が絶対に強くなる。多分指揮官のメンタル適性とかはあると思うwあまり気に病みすぎる人は向いていない…はいはい無理無理かたつむり~みたいな精神でいられる方がいい」

───ありがとうございました。シールロックにソロ参加する人に対して希望することは…

「野良参戦する人…まず、◎を殴ろう。タンク1、ヒラ2に協力してください」
※Gaiaではターゲット◎が主流

───戦闘力に貢献しようということですね。

「自分にとって確実に強いっていうジョブを出してほしい。別に機工に限らずなんでも出してもいいけれど、自分の仕事をしてほしい。
…で、それを突き詰めると、現状は機工と黒になると思うんだよね…」

───そうですねえ…なかなか難しい

「別にこのジョブを出せっていうわけじゃないんですよ。強いジョブを出してほしい」

───在庫さんの指揮だとそうなりますねえ。

『ところで、ヒラ2の時にヒラが空き巣いっていいんでしょうか?』

「PT内で打ち合わせをしているならいいと思う。ヒールしてくれると思っていたのにその人が空き巣行ったりしていると、絶対計算が狂うから。
固定PTで行くときも、たまにヒラ3になることはあるけれど、二人はタンクしっかり見て、残り一人は遊撃に回ったりDPSのヒール見たりとか…そういったように役割を分けたりしています。PT内で、誰がどういう役割をするかという打合せはしておくべき。そのうえでどう動くかは自由だと思う」

『野良でいくと、PT会話がなくて…』

「まず会話することが、強くなる一番の条件だと思いますね…指揮とかでもなく…」

───確かに。

「指揮はコミュニケーションを上から下に流す一番効率的な手段だからやってるだけで。一番の理想は「こう行きませんか?」「ああいいですね」「こっちの方がいいんじゃないですか?」というのがいいだろうけれど、そうやってるほどのんびりできないから…そういうコミュニケーションを、もう全部俺が責任を取るから、提案っていう形をすっ飛ばしたが指揮の成り立ちだと思う。それだったら、ちゃっちゃと俺のやり方についてこい、みたいな。」

 


 

───では今度は氷です…ご自身が気にされてることはなんですか

「振り回されない。こっちが主導権を握る」

───うーんシンプル。では初心者で指揮をしようという方に対して、気をつけたほうがいいことはなんでしょうか

「相手の戦力を正しく認識しよう」

───それは、相手の対応がどんなものかということですか?

「純粋に戦闘力です。野良PTでもターゲッターいたりとか、ちゃんとターゲット合わせてくれるDPSがいたら、押されるときがあるんですよ。逆に全然ターゲットあわなくて押せないとか、そういう場合もある。自軍戦力が、相手戦力に対して、強いのか弱いのかは早めに判断したほうがいい」

───そのうえで方向指示していこう、と

「相手より強いというのが分かったら、もう強気の指揮をしていった方がいいし、逆にどうにもならなかったら,空き巣主体で立ち回るとか…」

───野良の人に対しては、空き巣をしてくれという時もあると。

「戦闘で勝てないなら、そうですね…固定PTって、キルしまくって点を伸ばしていくから強い。というのがあると思うんですよね」

───そうですね、高揚ついたり。

「でもキルする対象が、どこにいるの?ってほど散らばってたら辛いものがあるんですよね」

───ああー…

「自分だったらその代り大氷全部もらいますけれど…野良で相手に戦力で負けているんだったら、それなりの勝ち方というのを考えてほしい」

───氷で、自軍の戦力が低い時にはどうされますか?

「自分はそういう状況…戦力が弱いという状況をそもそも作らないです。弱くても勝てる方法を考えるよりは、ちゃっちゃと強い戦力で押した方が楽という。勝ち方はいろんなやり方があるので。」

───それゆえの固定ですね。

「圧倒できるなら、そのまま押して行くのが一番ですよね」

 


 

───ではこれからはPvP全体的な話を。現在は毎回指揮をされているんでしたっけ。

「そうですね、固定PTで行くときはほぼ毎回自分がやってます。他のPTに指揮官がいたら今回はよろしくとか、そうやりとりすることはあるけれど…PT内だったら自分がやるのが一番多い」

───相手も指揮官は多分いない、こっちも指揮がないというカオス戦場は経験されたことはありますか?

「少なくとも自分は絶対に指揮をするから、自軍がカオスっていうのはそうそうないです。その時点で自分は有利なんですよ。」

───指揮がある時点である程度有利であると。

「自分がいて自国に指揮がないってことは大前提として、ないですからね。ありえない。相手が指揮もなければ戦力もない敵だったら、粘着されても、逆に全部倒して強高揚にして、反対側も全部倒してキルで勝っちゃう」

───今固定でやるとか、ソロでやるとか、いろいろ出ていますけれど…

「レギュレーションを決められたらその中で一番効率的な勝ち方を探すだけ。やるかやらないかは別として、もし続けるのだったら、勝つために一番効率的な方法はなんだろうって探していくと思う。」

───ありがとうございます。PTは強いとのことですが、強い人たちの野良混合についてはどうお思いですか?

「混合は絶対にPT内での連携が落ちると思うんですよね。タゲ合わせの練度は上がるけど、ヒーラーとタンクの呼吸感とか、いつものタンクとDPSの立ち位置とか、そういった細かい点で噛み合わないところが出てくる…プロテスの投げるタイミング、堅守のタイミング、その他諸々。
そういうところに付け入る隙はあるので、野良相手だと絶対的に強いでしょうが、固定に対して優位かというとそうではない。Gaiaは幸い固定が多いので…別に弱いわけではないけれど、優位かと言われると微妙ですね」

───やりようがあると

「並ぶかどうか、くらいじゃないかな」

───実際に戦場で敵と自分の間に圧倒的戦力差があると気づくことがあると思うのですが…

「ありますね」

───例えば自分が弱い時はどうされますか?

「一国が強い場合は、ひたすら強い国を押さえますね。そうすると、最終局面でその強い国が二位になって一位に行かざるを得ないので。その間に付け入る」

───指揮官さんに共通した認識がありますね

「それは基本でしょう!強いところに勝たせないっていうのが、一番勝つ可能性が高い。ただやるからには…逆恨みを受けても気にすんなっていうメンタルは必要ですw」

───なるほど…

「その後あまりにも粘着されて、こっちが一位を抑えている間に、三位が一位になるんだったら…」

───次回の勝負に期待しましょうと

「例えば他二国とも強い時も、かつこっちが注目されていて、キングメイカーまで落とされたら片方を攻撃します。それはキングメイカーを作った側の責任だから。
逆に自分がやられることはあります。圧倒的三位を作ってしまって、逆転の芽がない状況にしてしまったら、どっちを勝たせるかという手にしかならないので…そこは一位の責任だと思う。その試合では負けるかもしれないけれど、そういう姿を見せておくのは次の勝利のためになる」

『もう無理だなというのは、どれくらいの時間なんですか?あと5分とか…』

「いや、時間ではないな。点数で見ますね」

───氷だったら、計算ができますしね

「他国が共闘する気がないんだったら、こっちも共闘しないよっていう」

───在庫さんは、指揮のマクロはいくつ使われているんですか?

「まずキーボードマウスですね。えーと…1,2,3……20,21,22…」

───凄く数えてる…

「40!」

───ええ!半分近く指揮マクロだ。

「そうですね、氷は40です。RWはかなり減りますけれど」

───氷とシルロとかで入れ替えたりしていますか?

「最近はやってないですね…氷で大分充実させたので。一応ルールごとにバックアッププログラムから出してきたりはするけれど、あんまりないな…共通していることの方が多いですね」

───なるほど。あと、開幕にアラチャで指揮をするとあいさつされていますね

「しますね。あれは初心者も絶対やったほうがいいです」

───絶対!

「もし自信がないなら「指揮する人がいないんだったらやろうと思うんですが」みたいなことを言って、20秒くらい返答がなかったら「じゃあやりますね」くらいでもいいと思いますが…誰もやらないからやるわっていうより、最初から「頑張ります」のほうが、協力してくれる人は多いと思う」

───協力してもらえるかが大切になりますしね。

「指揮だけじゃなくてジョブもそうなんだけれど、このジョブをやりますって最初から宣言してくれる人の方が安心してもらえる。例えば開幕早い段階でタンク・ヒラに着替えてくれた人って信頼できるって心理ないですか?」

───ありますねえ

「それと同じですね。初めからターゲッター・指揮やりますねって言うと、やる気があるんだなと思って、協力してあげようっていう風になるんじゃないかなって思います」

───負けが込んだ時ってあると思うんですね…そういう時にワンポイントアドバイスはありますか?

「負けた時、固定PTで指揮を出していたのにそれが通らなかった時とかはともかく、自分の判断ミスで負けたのなら自分に対して怒る。判断が正しくて、味方が動かなかった場合は、味方に恵まれなかったと考えたらいいと思う。純粋に後手に回されたのだったら、敵が上手だったなと思えばいいし」

───原因をちゃんと追究して、と

「そう、原因究明は重要。それで、自分にどうしようもない原因は考えるだけ無駄です。自分は適切な正しい判断をして、状況的にも動けたはずなのに、みんな目の前の敵に夢中になって、移動がされなかったりとかね。
撤退方向はこちらというマクロをよく流すんですけれど、そのようにあらかじめ指示していて敵が挟んでくる前5秒以上猶予をもって撤退指示出していた。にもかかわらず、全く移動してくれなくて挟まれたとかなら自分は悪くない。しかもそれが追撃とかでね。いろんな条件が整っていたのに、うまくいかなかった時はもう自分は悪くないわって考えでいいと思う」

───詳細に覚えていらっしゃいますね。あとから検証されているということでしょうか

「負けた試合とか、気持ちよく勝った試合とかは、シャドウプレイとかで録画してますね」

───なるほど。それで見て、今の判断はどうだったと振り返る

「まあ大体は覚えていますが。負けた時って、ターニングポイントになった要素は記憶に残るので…
大抵負ける理由って、リス運が悪かった、挟まれた、正面から押し負けたの三パターンに収まると思うんですよ。正面から押し負けたっていうのはその場では対応しようがない。せいぜい逃げるしかないので、どうしようもない部類に入ります。挟まれた…これは予測できるはずなんで、自分が悪い。リス運が悪かった、これはどうしようもないですw」

───運ですしねw

「それで、正面から押し負けたっていうのは対策ができて…固定を組むことですね。固定を組むことで、負ける可能性を下げているわけです」

───在庫ニングさんは強い戦力で相手を突破していくというイメージがあります。そういう方向性にされたのはいつごろ…どういうきっかけでしたか?

「多分今世からは…最初からやっていたかな。しばらく休止していて…4.0で復活して。PvPアクションがガラッと変わっていたんですが、Twitterとかで関わっていた人と一緒にやったら滅茶苦茶強くて…。その時はしばらく固定の少ない時代が続いていたみたいで、まず指揮がいるということが珍しかったんです。それなのに固定がいた時の名残で、特に意味もなくOP前にいる。」

───ああ、始まって直後とかにですね

「そうそう、OP前の広場で待っているだけ。本来、それは攻めても背後を取られそうな時に待機するという選択肢の一つだったと思うんですよ。けれどその理由なく待っているだけになって」

───ああ、その名残なんですねえ

「なので自分が復帰したタイミングでは、他国に突っ込んでいっても、背後を取られなかったんです。
19分で大氷が湧いて、終わって、みんなOP前に戻るでしょう。そこにうちらが突っ込んでいく。すると敵のOPに向かって突き進んでいても、反対側が挟んでこないんです。だからそのまま突き進んで相手のOPまでいって、大氷部屋から出てくるという行動ができた」

───騒然とする状態が目に浮かびます

「相手がえっナニコレと思った時には、タンクとかヒラが死んでいるから下がるしかない。こちらは常に人数差で勝っている、しかも挟まれる心配はないという状況だった。そこからうちらにそういう(攻める)イメージがついたんじゃないかな」

───こういう形でいける、と。

「当然しばらくしたら固定とかも増えて、通用しなくなってきたんですけれど…w
相対的に強かっただけで、他が強豪というところがいなかった。今は大分落ち着いていますけれど。」

───火力の高いところはありますね。在庫ニングさんのところはものすごく強いPTを組まれて、押し勝っているイメージがあります。

「いやあ。あるところには押し勝てるとはかぎらないです。
結局勝てる負けるは、ほんの一瞬のミス。立ち位置ミスったとか、ヒールワークミスったとか、視線ギリしたとか、いろいろ要素はあるんですが、どっちが先にミスってしまうかだと思う。あとはポジショニング。」

 


 

───他に何か初心者の方に伝えたいということ、こういうことを聞いてみたらとかいうことはありますか?

『フィーストのランカーさんが8人組んで対面にいたりするような、敵が強すぎる時はどうしたらいいですか?』

「まず、自分たちも強くなる。その試合でどうしようもないことはどうしようもない。
それとは別にフィーストPTって、要所要所バーストをする戦い方は強いけれど、当たった瞬間に倒す戦い方には慣れていない人が多いと思います。ランカーPTも普通に勝っているところはありますが、そこの差でしょうね。まあ、負けたのだったら2PTで押してやったらいいだけ…数の暴力はFLでは正義なんで。
あとそこは指揮をほぼしない。なので、こちらはここ強いなと思ったら全軍けしかけて高揚を刈り取ったらいいと思う。」

『ヒーラーは、3人対処はまだどうにかなるんですが5人で来られるとどうしようも…』

「暗黒のアンメンドスタンを食らう場所にいる時点でもう負けです。強い固定とかはヒラにマーク付けているでしょうし、敵のキーマンを倒すとかもしている。
だからこそ指揮官は倒されちゃだめです。指揮官が死ぬと、前線で指揮できなくなるので…初めに言ったけれど、「死なない」。指揮やるうえで、前線にずっと居続けるというのは重要です」

───では、今は指揮をしていないけれど、これから指揮をしてみたい方に。これやったらいいということはありますか?

「まずターゲッター始めたらいいんじゃないかな。」

───前線をはるということですね

「そう。要は指揮って全体統括となって決定権を持つのだけど、いざ決定権を持つと、しり込みしちゃうと思うんですよ。間違ったらどうしようとか…
だったら、ほかに指揮がいる前提で、まず指揮官の役に立つことをやる。ターゲッター然り、タイマー然り。あとは、いきなり実践が怖いんだったら、マクロは用意するけれど/echoにする。それで、有名な指揮官と一緒になった時に似たような指揮ができたら、ああ判断は間違っていなかったなとか。違う判断出していたら、なんで違う判断したんだろうとか。見比べるといいかもしれませんね」

───それはいいですね

「ただ私の指揮は野良には絶対に参考にはならないw」

───火力あってこそという感じがありますしねw

「PTメンバーの火力前提の指揮なので。そうなると指揮をするにも固定入っちゃうのが一番いいと思うんだけどなあ…」

───自分で作っちゃうとかですね

「そうですね、ただ最初は思い通りにいかないかもしれないw強い人はもうどこかの固定に入っているから。」

───ちなみにその固定って、完全に8人が決まってるものというイメージでいいのでしょうか

「決まってる固定はもうほとんどいないんじゃないかな?十何人とかいて、その中から行ける人を8人集めるところが多いと思う。
固定の概念は…自分が思うのは、まず8人フルパーティ。フルパの中でも構成を固めて、指揮もやるっていうところが固定じゃないかな。それ以外は固定というよりPT。」

───なるほど、指揮があってこそ。

「でもPTでも、野良よりは絶対優位です。要は自分でできる範囲で、どうやったら勝率を高められるかっていうのを考ることになりますね。指揮もターゲッターもヒラもそうですけれど、一人で貢献できるところって限度があるので、ソロならその範囲内でできることをやる。固定で行くんだったら、固定で貢献する方法がある。仕事もそうだけど…現在の環境でできることって限度があるんですよね。それ以上を目指なら、環境を変えることになる。
環境を変えるか、現状でできることを頑張るか。その二択になると思います。
それで…指揮で強くなりたいというのは、ある程度の水準より上になると、もう環境を変えるしかなくなると思う」

───勝つための環境を整えると。

「まあ野良で勝つんだったら…高い勝率は目指せないけれど、誰にでもわかりやすい指揮を意識するとか、野良にあった勝ち方がある。分散してどうするか、できる範囲でマクロを凝ってみるとか。あとはキャラクター性を出していくとか。RWだったらナマズオさんとか、野良でできる理想形だと思いますね」
※ナマズオの人:うぺぺ語で話す人。ライバルウィングスでアラチャをよく流されていた。

───可愛いし、印象に残るし

「協力してみてもいいなと思わせるっていうのは大事な要素だと思う。
協力してもらうための要素はいくつかあって…まず印象に残ること。次に会った時に、前のあの人だっていう印象を残す。ザイコニングターンズとか、絶対に名前覚えてもらえるからw」

『一発で覚えましたw』

「でしょ?それは狙ってるんですよ。あと名前覚えてなくても、口調で覚えてもらえてるとか。さらに勝率を示せると一番ベストだけどw
それでも無難な指揮をして、そこまで的外れじゃない指揮をしていれば、信用はしてもらえるんじゃないですか。明らかに捨てゲーしている指揮官とかでなければ、負けた時でもどうしようもない、とか理解を示してくれる人って多いと思うんですよね。これは勝てなかったね…って、わかる人は分かってるはずです。指揮は、戦況がわかる人が協力してくれるのが一番影響が大きい。
あと例えば不慣れ、苦手で全然殴れなくても、タンク少ない時にナイトがいてくれるというだけで全然違う」

───前にいることがタンクの仕事ですからね

「本当に殴れなくてもいい。ただメインタンクの横に並んでいるだけでもう仕事できているんです。ターゲッターも別にしなくていい。
指揮をやる時もタンクはおすすめです。それにタンクのポジショニングができるようになると、指揮は絶対にうまくなる。
タンクやっているとターゲッターができて、倒してほしい相手を自分で指示できるっていうのが一点。タンクは絶対に先頭にいるんで、指揮で突っ込むタイミングで先頭にいられるのがもう一点…欠点は、仕事量が多いこと…
指揮をやってる人でタンク経験者は多いと思いますよ。タンクっていうのはライン作れるから、自分が理想のラインに立っておくことができるんですよね。自分も昔はタンクで指揮やってました。まずはタンクを極めてみるところからやってみるといいかもしれませんねw」

『横に並んでいるだけで大丈夫っていうので大分今勇気づけられましたねw』

───本当に…いていただくだけでありがたいので…

「タンクはルガがいい。ターゲットされるんでw」

───そうなんですよ!

「理想は、メインターゲッターのタンクはララで、横をルガががしっと固める。ターゲッターを落としたいのにルガしかタゲれない!さらにナイトとかだったらインビンで耐えられるから…」

───やっぱりルガディンのタンクですね!!

 


 

───最後に初心者さんへ、何か一言伝えるとしたら?

「誰もが初めは初心者です。で、強い奴は強いし、弱い奴は弱い、それを飲み込んで強くなっていくしかない。強さが正義です。
でも、強さはいろんな強さがあります。戦闘面では弱くても、指揮で的確な指揮が出せるならそれが強さだし。コミュ力生かしていろんな人で申請合わせできるような環境作れたら、それはそれで強さだし。」

───PTを組むこともそういう意味の強さの一つですね。

「そうです。自分は強い人を集めようと思って今の形にしたし、多分他もそういうことで今の形に落ち着いたのだと思う。
でも、個々の強さが弱くても、安定して参戦し続けられるくらい人を集められるコミュニティ能力があるのも強さだと思うんですね。ソロ参戦でも、野良の心をつかむ指揮ができたらそれはそれで強さだと思う。自分の強さを見つけるのが目標かなと思います。

敵わない相手と別に同じ土俵で勝つ必要はない。いきなりフィーストのランカーに今シーズンから初めて勝てるわけがない。でもフロントラインだったら、指揮をしてその人に数で勝てるわけじゃない。
指揮するのに気負う必要はないですよ。負けるときは負けるし。誰も指揮しなかったら結局ぐちゃぐちゃってなって負けるかもしれない。やることでマイナス面はほぼないから、それだったらガンガンやっていった方が得だなって。掛ける労力と返ってくるリターン考えると別に大したことないじゃん、って思うんですよね。指揮して勝率上がるなら。」

───気楽に行きましょう…ですね

「あ、そうだ!一番重要なこと忘れていた!悩まないことが大事。
自分の強みは絶対に悩まないことだと思っている。悩んでいると不調なことが多いです。基本氷湧いてもう2秒後には決断だしている。」

───勝敗は速さと早さが別つと。

「そう、それ好きなんだよね……悩んでいる間にどんどん情勢はかわるから、悩んだところで、次にはもう悩む要素が増えている。
悩むな。悩んでいた時間で、失敗したことをリカバリーしよう。失敗してからリカバリーすればいい。以上!」

─── ありがとうございました。では…今度は戦場で!

(2018/7/10)