指揮官インタビュー第三回:Saigou Don(Mana)

 イラスト:めいあん

「攻め時だ」「いっちに!いっちに!」

第三回目となった初心者向け指揮官インタビューは、ManaDC(shinryu)双蛇党に所属するSaigou Don氏にご登場いただいた。

Saigou氏の出す指示はごくシンプルだ。前進、後退、待機。味方3アラを巻き込んで、圧倒的な火力で突き進む。端的な号令には否が応でもテンションが上がる。
今回はこれまでと異なり細かい話はほぼなく、主に気合い、気持ちの話が中心となっている。溢れるパワーをひたすら浴びて頂ければ幸いだ。

なお今回も時折第三者のコメントが入っている。(『』にて表記)

↑Saigou氏の指揮動画。一番上のURLは本来はこちらとのこと。

 

「帰宅して早々が故に言いたい言葉が出てくるかいささか不安だが、よろしく頼むぜー」

───はい!よろしくお願いします

「気楽にいかせてもらうぜ!」

↑西郷さんとギャラリーの方々


 

「前提は、軍師初心者が指揮を始めるきっかけになればってやつ、であってるよな!」

───そうですね!PVPはいつ頃から始められたのか…きっかけを伺っていいでしょうか?

「俺もフォールド、一番最初のやつからだな」

───なるほど!かなり古参の方なんですね

「歴だけは無駄に長いかもしれんな」

───指揮自体は、殲滅とかから始められたんでしょうか?

「指揮はそうだな、全体的に指揮って呼ばれるものが出始めてきた頃にはしてたかもしれんな。そもそも指揮っていつごろから出てきたんだっていう俺の記憶も曖昧だが、制圧戦の時はドローンPOPの時間管理くらいはシャウトでしてたと思うぜ。
でもありゃ指揮というよりは報告だな」

───それは皆さん仰ってましたね、何PTいるとか、いつに湧くとか…Gaiaの場合は殲滅から出てきたという話は伺いました。

「ほう、そうなのか!Manaはわかんねぇな…」

───殲滅は確かに、指揮が必要な構成だったような記憶があります

「昔のSSがどっかに眠ってればいいんだがな、最近物覚え悪くてな!」

───シールロックになると、最初から指揮をされていたんですか?

「今で言うところのマクロなんてものは使ったことないが、アラチャであーだこーだはいってた記憶があるぜ」

───なるほど、昔の24人コンテンツみたいな感じですね

「猛者薬バイオラミアズマバイオコンテベインの時代、だな!」

───召喚神時代!先人の方ですね…

「参考の連続だぜ。上手いやつの動きを真似る。真似続けて5年だ」

───今現在、双蛇に所属されていますが、PvPの理由で移籍された・しようと思ったことはありますか?

「色々移ってるぜ、黒不蛇黒蛇みたいな感じかもしれん、これも記憶が曖昧だが」

───ほう!理由を良かったら聞かせていただけますか

「グラカンフリーになるまではどうしてもフレンド同士で行こうって時は同じグラカンにする必要があったからな」

───そういえばそういう時代がありましたねえ

「それが1点。もう1点はManaで玉を取るなら不滅以外ありえない、そんな時代があってな」

───そんな時代が。

「唯一勝って黒玉を取るために不滅に移籍したことがあったな。まあ今となっては、だな」

───なるほど…

「まあまあ俺の昔話なんざこれくらいにしておこうぜ!」

 


 

───では本題へ入りましょう!シールロック、制圧、氷の中で一番お好きなシステムはなんでしょうか?

「毎週のようにこれがコロコロ変わるんだよなあ…」

───ええww

「結局どれも勝てる時、勝てない時があってな。
週替わりで気持ちがコロコロ変わっちまう。どれも好きだぜ。」

───なるほど…これまで聞いた中では、制圧はちょっと…とかいう話がありましたが…

「楽しみ方次第じゃないか?確かに制圧は終盤ボコボコにされて意気消沈することが多いが……いや、でも制圧は好きじゃないかもしれんな」

───むむ。

「PT組んでいかせてもらってることが多い故に言っちまったが、ソロで行く時もあって、そん時は制圧は一番やりづらい、たのしみづらいな。昔のでっかいフィールドでぴょんぴょん飛んで隠れる忍者できてた頃のがソロでも楽しめたのは事実だな」

───前のパッチで狭まりましたね

※4.3パッチで制圧戦のマップが狭くなった

「まあでもどれも楽しいぜ、俺はあんまりネガティブなことを考えるのも言うのも好きじゃないんだ。どれも楽しい、ただ、シルロ氷のが制圧よりも楽しいかもしれんな!」

───気持ちが大事!

 


 

───制圧ですが、まず指揮をされていますか?制圧はご一緒したことがないんですよね

「今の制圧じゃ、俺は指揮はしてないに等しいぜ。
戦闘開始前に「どこに行けば良いかわからくなった時は、□マーカーか、西郷アラについてきてくれ!」とだけ。どこに行けばいいかわからない味方に、とりあえずわかんなくなったらついてきて一緒に戦ってくれ!とだけ言ってるな。
俺の3種のマクロもたまに出すが、制圧は難しいな。24人で固まって動くのが返って弱い動きになっちまう」

───なるほど…そもそも、西郷さんは他2つでも、要所要所でのみピンポイントで指示を出されるイメージがあります

「指揮される側になった時にな。「そんなこと言わなくてもわかってる」って思ったことないか?ある奴はある程度慣れた人だと思う。そういう人は細かいことなんか言わなくても動けるんだよな」

───確かに、そういう場面はありますね

「ただ、始めて間もないプレイヤーからするとありがたいように思えるが、だいたいそういうプレイヤーは皆についていこうとするんだよな。
だからこそ、俺は細かいことはあんまし言わないぜ。それに俺はそこまで細かいこと言える程賢くないからな!」

───では初心者さんが、制圧で勝とうと思った時は指揮よりは各自の行動を、という感じでしょうか

「制圧ならPT内でチャットしてPTの意思を1つにすることが一番良いと思うぜ。
敵の1PTとあたって押し負けた時、そこは無理と判断、放棄して別のPTに加勢する人、やっぱり自分たちの持ち場を押し返すべきだとする人。1人でも分かれちまうと8人を相手にそうそう勝てなくなっちまうからな」

───そうですね…

「序盤は制圧で指揮って難しいと思うぜ。
後半有利なタイミングでいかに挟撃されないか、いかにボコられないように動けるか、最後の試合時間残り2分頃にわくドローンを倒せるか。それを考えるくらいじゃないか」

───そうなりますね…制圧はやはり難しいと思います。指揮するのも参加するのも

「だからこそ今なら指揮官デビューしやすいんじゃないか!?」

───ほう!

「と、俺のポジティブシンキングが発動しちまう。
よく指揮する人でもしない環境だ。そこで指揮が出来るようになったら、新参者から一気に真似される側になれるぜ」

───自分でセオリーを見つけていくと。新しい道ではありますが…

「失敗したっていいじゃないか。元から勝てる可能性なんざ3分の1だ
指揮して負けることもあれば、指揮して勝てるときもある。指揮して明らかに失敗しても、なんか敵と味方の動きが噛み合って謎に勝てるときもある」

───謎時間、ありますねえ・・・

「まずはやってみる、それに尽きるぜ。あとはいかにモチベーションを保てるか、だけだ!やってるうちにとにかく、色々慣れてくるもんだ。レイドだってなんだってそうだろう」

 


 

───ではそれ以外……西郷さんが指揮をされるときに気を付けていることはありますか?

「気をつけていることは一つだ。敵が強かったらそいつらとは1:1で戦わない、だ」

───ふむう

「俺はぎゃわさんスタイルとはほぼ真逆だ、戦闘たくさんするスタイルだ」

───そうですね、めちゃくちゃあたるし、何より追いかけていく

「だからこそわかる。
強いやつらに武器(高揚)を与えると手がつけれんくなっちまうんだ。だからこそ、強い!と思ったら1:1で戦わず、自軍を強化(高揚)してあとで倒すことにしてるぜ。
まあまずはその「強い!」を知るために開幕はぶつかりにいきまくるから戦闘はするんだがな!」

───では初心者さんが指揮をするときに、大切と思うことはなんでしょうか?

「指揮をするときにっていうのは、指揮をして勝つために、か?それとも指揮スキルを磨いていくために、か?」

───そうですね、今回は特に、「俺初心者!指揮をしようと思うぜ!」って人に、一言だけ言うとしたら、というと…

「失敗してもめげないことだ。」

───強い!

「まず前提にな
・自分よか他の軍師の方が上手い、賢い
・敵の強さ、味方の強さ、毎回ランダム
これだけでもわかる。「こんなんで毎回安定して勝てるかよ!」ってな」

───確かに…

「だから開き直って指揮を始めて欲しいぜ。
今じゃ考えられないが、昔は蘇生が無くて死んだらもう終わり。死んだらただひたすらに試合が終わるのを眺めるだけ。そんな時代だった」

───暗黒時代。

「新規のヒラちゃんが「このコンテンツはなんだろう?」と申請すると即シャキだ。
ヒラちゃん「なんだろうこれ!楽しそう!」そう思ったのも束の間だ。開幕5秒で死んでボコボコにされて負ける。新規はすぐ心が折れて辞めちまう、そんな時代だったぜ」

───それは…また恐ろしい時代ですね。ジェイルの頃かな…もうちょっと後かも。

「あの頃はPvP用の装備を集めにリーヴを砕いたり、蘇生もなかったり、とにかく今は新規の方が参加するハードルが下がった。
軍師を始めるなら今がチャンスだ、今から始めて見て欲しいぜ。
ただ目標を勝つことにフォーカスしすぎると、負けが続いたとき「俺には才能ない」ってやめちまう人が多くなっちまうだろうと思う」

───確かに。

「自分がやっていて楽しいと思える、それで尚且つ勝てると思うとやり方を模索して欲しい。それが純粋な気持ちだな!
上手い軍師は死ぬほどいるが、必ずしも同じようにする必要は無いはずだからな」

───うむ…そういえば。先ほど仰ってたような気もしますが…指揮マクロはいくつ使われているんでしょうか?…3つ?

「攻め時だ・ライン下げます・いっちにー(フィールドマーカーを置くだけ)
この3つだな。最近一々国名を手打ちするのが面倒で、不滅、黒渦、双蛇の3つを新たに加えたから6つになるが、まあ3つで足りるぜ。
……ああ、忍ぶぜ もあったな。ありゃ使うシーン限られててあんまり使わなくなったな、いっちにーマクロで代用できるしな!」

───あれは視覚的に見やすくていいですね。その辺の調整を、今の形にしたのはいつ頃ですか?

「そのいつ頃ですかって質問俺めっちゃ弱いな!先に調べておけば良かったぜ。
1年くらい前じゃないか?」

───ありがとうございます。あと、実は今回は「最初にアラチャでやるよ~と流す方とか」という形で最初募集していたのですが…

「開幕のマクロか」

───そうです。なくても結構人がついてくるので、すごいなあとみていました

「俺はもう「1タゲ使います」くらいしか言わないな。
多分「ああ、またこいつか、仕方ねえついていくか」って思われるレベルまで認知してもらってるしな」

───ただ通常時のマクロが特徴的なので、覚えられる方が多いような気はします

「やり始める方には開幕アラチャでの指揮宣言は是非した方が良いと、言っておくぜ!あとはルガディンだしな、名前も覚えやすいしな。インパクトしかないから、敵からもたまに手を振られるぜ」

───指揮をやるならルガディンになろう!!!!!!!!!

 


 

───西郷さんは、氷、シルロとか、システムごとに指揮を細かく変えるより、戦況に応じて自由に動かれている印象があります。

「必ずしも23人が指揮を完璧に聞いて動いてくれることが勝利に繋がるとは思ってないからな。」

───ふうむ

「指揮・指示はしたくないし、するつもりもないんだ。
これは指揮官インタビューに反しているかもしれないが、事実として、団体行動せず、自己判断で散会してくれている味方が、リスとってくれたり、小氷殴ってくれたりして勝つ、ことはめちゃくちゃ多いんだ。
だからこそ、指揮にそぐわない行動をしている人がいても、それを俺は愚痴るべきじゃないと思っているぜ。それに助けられてるからな」

───元々のコンセプトはただ、「勝つために!」ということなので。そう思いながら適宜指示出されている方がいるというのも、初心者さんの助けになると思います。判断…大事!

「難しい話になりそうだな!w」

───まあ、楽しんで勝つ!これが一番の目的なんですよね。指揮が手段の一つであるのは違いないんですけど…全てでない。

「指示はあくまで勝ちに近づけるための手段だな」

───そういうことですね

「1。指示はしたくない
2。だから攻め時だ、ライン下げます、いっちにーマクロの3種しか基本使わない
3。これはゲームだ
4。各々が自由にゲームを楽しむ権利がある。だからこそ指揮に従わなくとも無問題だ
5。だが勝てないとゲームは楽しくない
6。勝つためには団体行動が必要になる
俺の内なる気持ちの順序だ。」

───ふむむ

「この6のあとに俺がどう考えたか。インタビュアーさんはわかるんじゃないか」

───やるしか…ない…

「7。少ない人数でも24人相手に押し勝てるパワーがあればいい。そういこった!」

───そしてあの試合につながるわけですね…

※西郷さんの指揮では、とにかく高火力で押し切ることが多い。敵を突き抜けた時の快感はひとしお。

「敵味方によって戦術は変えないといけない。それってめちゃくちゃ難しい。
そんな器用なことを毎試合続けて勝てるやつは相当頭も感覚も凄い。
だから俺は頭脳プレーからパワープレイにシフトした。負けた時は「力が足りなかった。あそこで押し勝てる力があれば勝てたはずだ」と、パワーとその出しどころの反省をする。
味方やら敵やらに矛先を向けてもな、さっきの敵は次の味方だ、考えたって仕方ないぜ
俺の考えだ!(笑)」

───マナはパワーだなあ!!!w

「俺は24:24:24だとしても、負けを誰かのせいにしたくないんだ
それが故に蛮族にならざるを得なかったのかもしれねえな!
ただ蛮族になっちまったが故に敵のヘイトを稼いで負けちまうことも多々ある。
そういう時は味方にすまん!と思いつつ、次はもっとパワーをあげてリベンジだ、と思うようにしてるぜ」

───このタイミングで聴いていらっしゃる皆さん、何か質問とかありますか?

『西郷さんの指揮を野良初心者軍師さんが真似できるとおもいますか?
また真似、参考にしたとして野良の人はついてくると思いますか?』

「真似は難しいだろうな。そもそも俺のプレイングは俺自身上手くいく時行かない時の差が激しい。それをPTも組まずに、ソロ参戦で最初からできる人はそうそういないと思うぜ。それに野良もついてくるとは思えん。
ただな、俺のは無理を通り越した無茶に挑んでる。ソロ参戦でも、この「無理」までなら真似できると思うぜ。
これ通じそうか不安だぜ」

───壁を破るか超えるかは真似ではできないという……?

「ここで言う無理ってのは「ここで攻めて、ここで退ければ、デス数<キル数となって、トータルプラスになるシーンに突っ込む」みたいなことだ。
それに対して無茶って言っているのは「挟撃されることを承知の上で攻める。挟まれる前に1国側を押し切る」って感じの差だ。
無茶は難しいかもしれんが、多少仲間が倒されても、相手をそれ以上に倒せるであろう無理(無理強い)は、場数さえ踏めば真似できると思うぜ。」

───思っていたより即物的なことだったなあ!

「俺のはあくまで1つの尖った軍師の1つということでな。。。真似るなら他の賢い軍師を真似るのが得策だ!」

『対面に西郷さんとは全くの逆の指揮、指揮官が2国いた場合どういう戦術をとりますか?』

「2国とも戦闘を避けてくる時ってことか。
……諦めてアラチャで「皆夕飯でも食べててくれ。敵が来たら教えるぜー」
こういうだろうな」

───ご飯タイムと!?

『Gaiaだとお茶休憩っやつですね』

「氷でもたまにあるよな」

───まあありますねえ

「俺はあの時間が苦手でな!即裏から攻めちまう」

───そういえば外周通ってOPまで行って、中央から戻ってきていましたね

「次の大まで3分!?そんなに待ってたら強制排出されちまう!ってな。
回答になっただろうか。戦術はないぜ、釣りだ!戦闘できるまでは待つぜ!」

『はい、ありがとうございます』

「どうせ最後は痺れをきらして攻めてきてくれるだろう!
その時までは休憩タイムだ(:3[____]」

───ではいい時間なので…ありがとうございました!楽しかったです。

「最後に言いたいことだけ言って終わるぜ。メッセージ的なあれだ!」

───是非!

「勝った時は24人の勝利だ。負けた時は敵が上手かった、そう思うことが大事だと思っているぜ。
軍師だってなんだって何事も継続だ。やればやるだけ理解が深まる(わかってくる)。
継続するためにはモチベーション維持が必要だがこれが難しい。
自分(指揮の)のせいで負けたと思えば、次の指揮するのが怖くなっちまう。
だが負けても気にしちゃいかん、難しいがこれが大事だ。
何個かポイントはある
批判ではなく、試合終わりの「指揮ありがとう」「ナイス」そういう言葉に耳を向けるんだ。
負けた時は敵の軍師の方が頭がいいと思う、それに尽きるぜ。
ネガティブ思考は全てにおいて邪魔になっちまう。味方が弱かったではなく敵が強かった。そう思って次に活かそうと決め、その試合をトイレに流す。1試合たかだが20分だ。苦い思いをした1戦を後悔し続けるのは勿体ないぜ。どんな軍師だろうが一度は「やっちまった」と思うシーンはあるはずだ。
だからこそ、自分がやっていて楽しいと思える、それで尚且つ勝てると思うとやり方を模索して欲しい。
そしてそれを見せて欲しい。俺はその新しい技を見て盗む。

そして俺はもっと強くなる。……以上だ。さんきゅーだ!」

───…ありがとうございました!ではインタビューは以上です。これからまとめたり神に祈ったりするので、少しお時間頂くことになりますが…

「ゆっくり待つぜ、また今度遊ぼうな!」

───是非!

(2018/7/18)